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海外のお客様がレンタカーで事故・故障を起こしたら|受付が伝えるべき5つの対応と貸渡時の準備

インバウンド

2026-10-08

海外のお客様がレンタカーで事故・故障を起こしたら|受付が伝えるべき5つの対応と貸渡時の準備

<参考記事>予約から免許確認、貸渡までの全体の流れは、下記の記事で解説しています。

結論:事故・故障の連絡を受けたら、次の5つの順に案内します。

  1. 安全確保と、事故の場合の警察への届出。
  2. 店舗への連絡と、現在地・車両の状態などの確認。
  3. 動かせない場合や、走行の安全を判断できない場合は、ロードサービス・レッカーの手配につなげる。
  4. NOC・免責補償制度は、事故後だけでなく貸渡時にも多言語で説明する。
  5. 代車の有無や以降の予定は、確認してから案内する。

海外からのお客様がレンタカーを利用している最中に事故や故障が発生すると、受付担当には迅速な案内が求められます。しかし、言葉が十分に通じない状況では、「何を最初に伝えるべきか」「警察やロードサービスへの連絡をどう案内するか」と迷うこともあるでしょう。

こうした場面で重要なのは、その場で一から説明方法を考えるのではなく、事故・故障時に伝える内容と順番をあらかじめ整理しておくことです。さらに、店舗の連絡先や事故時の対応フロー、NOC・免責補償制度などを多言語で確認できるよう、貸渡時から準備しておくことも大切です。

本記事では、レンタカーの事故・故障時に受付が伝えるべき5つの対応を順番に整理し、貸渡時に用意しておきたい多言語の案内についても解説します。

この記事のよくある3つの疑問

Q1. レンタカーの事故対応で、受付は何から案内すればよいですか?

まず、けが人の有無と、安全な場所にいるかを確認します。事故の場合は、そのうえで警察への届出を案内します。

Q2. NOCや免責補償制度は、事故後に説明すればよいですか?

事故後に初めて説明すると、認識の違いにつながる可能性があります。貸渡時に、お客様が確認できる状態にしておきましょう。

Q3. 言葉が十分に通じないお客様には、どう案内すればよいですか?

事故時の流れや店舗の連絡先を、多言語の書面やカードにして渡しておきます。そうすれば、電話でも同じ案内を見ながら順番に確認できます。

もくじ
  1. レンタカーの事故・故障対応は「伝える順番」を決めておく
  2. 対応1|まず安全を確保し、事故の場合は警察への届出を案内する
  3. 対応2|店舗への連絡方法を案内し、必要な情報を確認する
  4. 対応3|状況に応じてロードサービス・レッカーを手配する
  5. 対応4|NOC・免責補償制度は事故後だけでなく貸渡時に説明しておく
  6. 対応5|代車の有無と以降の予定変更について案内する
  7. 事故・故障が起きる前に貸渡時の多言語対応を整えておく
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|事故・故障対応は「発生後の案内」と「貸渡前の準備」をセットで考える

レンタカーの事故・故障対応は「伝える順番」を決めておく

事故・故障の連絡を受けたとき、安全確保、警察への届出、店舗への連絡、ロードサービスの手配の順に進む4つの段階を左から並べた図
連絡を受けたら、決めた順番で案内する

海外からのお客様から事故・故障の連絡を受けたときに備えて、受付では「何を、どの順番で確認・案内するか」をあらかじめ決めておくことが大切です。言葉が十分に通じない状況で、その都度翻訳ツールを使って一から説明しようとすると、必要な案内が抜けたり、対応に時間がかかったりする可能性があります。

言葉が通じにくい状況ほど対応フローを固定する

事故の連絡を受けた場合は、まずけが人の有無や安全な場所にいるかを確認し、その後、警察への届出や店舗への連絡など、必要な対応へ順番に進めます。

受付担当ごとに案内する順番が変わらないよう、「安全確保→警察への届出→店舗への連絡→必要に応じたロードサービス等の手配」といった基本的な流れを決めておくと対応しやすくなります。

さらに、その流れを日本語だけのマニュアルにするのではなく、お客様が確認できる多言語の書面やカードとして用意しておけば、電話だけでは伝わりにくい場面でも案内を補助できます。

事故・故障の連絡を受けたときの基本の流れ

1安全確保——けが人の有無と、安全な場所にいるかを確認する。
2警察への届出——事故の場合は、警察への届出を案内する。
3店舗への連絡——店舗へ連絡するよう案内し、現在地や車両の状態などを確認する。
4ロードサービス等の手配——動かせない場合や、走行の安全を判断できない場合は、ロードサービスやレッカーの手配につなげる。

事故と故障で必要な対応が異なることにも注意する

事故と車両の故障では、必要になる対応が同じとは限りません。

交通事故の場合は、負傷者の救護や道路上の危険を防ぐために必要な措置をとり、警察へ報告することが道路交通法で定められています。一方、故障では車両の状態や停止している場所などを確認し、安全を確保したうえで、ロードサービスやレッカーなどの手配が必要になる場合があります。

そのため、「事故・故障の連絡が来たらすべて同じ説明をする」のではなく、最初に状況を確認し、それぞれに必要な対応へ分岐できるフローを用意しておくことが重要です。

事故と故障の対応の違い(早見表)

状況最初に確認すること主な対応
事故けが人の有無、安全な場所にいるか負傷者の救護や道路上の危険を防ぐ措置をとり、警察へ報告する。店舗へも連絡する。
故障車両の状態、停止している場所安全を確保したうえで、動かせない場合や走行の安全を判断できない場合は、ロードサービスやレッカーの手配につなげる。

📎 出典:道路交通法 第72条(e-Gov法令検索)

対応1|まず安全を確保し、事故の場合は警察への届出を案内する

田舎道の路肩に停めたレンタカーと後方の三角表示板、ガードレールの外側で電話する海外からの旅行者と遠くのパトカー
けが人の確認と安全確保を優先し、事故の場合は警察への届出を案内する

お客様から事故の連絡を受けた際、受付が最初に案内したいのは、けが人への対応と周囲の安全確保です。車両の損傷や費用の確認を急ぐのではなく、人命と安全に関わる対応を優先します。そのうえで、事故の場合は警察への届出を案内し、店舗側でも必要な情報を確認していきます。

けが人の確認と安全確保を優先する

まず「けが人はいないか」「車両は安全な場所にあるか」など、現在の状況を確認します。負傷者がいる場合は、必要に応じて救急車を要請するよう案内します。

また、道路上に停止した車両によって二次的な事故につながるおそれもあります。安全を確保できる範囲で必要な措置をとることを案内し、受付側は電話だけで状況を判断しすぎないことが大切です。

言葉が十分に通じないお客様への案内では、「けが人の確認」「安全確保」「警察への連絡」といった重要事項を短い文章にして、多言語の事故時フローとして準備しておくと伝えやすくなります。

対応1で案内する3つのこと

1けが人の確認

負傷者がいる場合は、必要に応じて救急車を要請するよう案内する。

2安全の確保

停止した車両による二次的な事故に注意し、安全を確保できる範囲で必要な措置をとるよう案内する。

3警察への届出

事故の大小を受付側だけで判断せず、警察への届出を案内する。

事故の大小を受付側だけで判断せず警察への届出を案内する

交通事故が発生した場合、道路交通法では、運転者などに負傷者の救護や道路上の危険を防止するために必要な措置を講じ、警察官へ事故について報告することを定めています。

そのため、「車に少し傷が付いただけだから」「相手がいない単独事故だから」と受付側だけで判断して、警察への連絡は不要だと案内しないことが重要です。お客様から事故の連絡を受けた場合には、安全確保とあわせて警察への届出を案内できるフローにしておきましょう。

📎 出典:道路交通法 第72条(e-Gov法令検索)

警察や店舗への連絡が保険・補償の適用条件に関わる場合がある

事故後の連絡は、その後の保険・補償の手続きにも関係します。全国レンタカー協会では、事故時に警察やレンタカー事業者へ連絡しなかった場合など、保険・補償制度が適用されないケースがあると案内しています。

ただし、具体的な補償内容や適用条件はレンタカー会社によって異なります。そのため受付では、「警察に届け出れば必ず補償される」といった案内はせず、自社の貸渡約款や補償条件に沿って説明することが必要です。

事故が起きてから初めて説明するのではなく、警察と店舗への連絡が必要であることを貸渡時にも多言語で伝えておけば、緊急時のお客様の行動を支えやすくなります。

📎 出典(保険の適用=全国レンタカー協会/保険・補償制度の適用=国民生活センター):全国レンタカー協会「レンタカーのご利用にあたって」/国民生活センター「レンタカーでの傷トラブルにご用心-記録、確認、連絡!-」

対応2|店舗への連絡方法を案内し、必要な情報を確認する

レンタカー店のカウンターで、スタッフが電話・地図・地球のアイコン入りの連絡先カードと車の鍵を海外からのお客様に手渡す様子
連絡先カードは、お客様がすぐ取り出せる形にしておく

安全確保や警察への届出とあわせて重要なのが、レンタカー店舗への連絡です。受付では、お客様から事故・故障の連絡を受けたときに確認する内容をあらかじめ決めておきましょう。さらに、言葉が十分に通じない状況でもお客様自身が店舗へ連絡できるよう、貸渡時に連絡先を分かりやすく渡しておくことが大切です。

受付が確認したい情報をあらかじめ決めておく

事故・故障の連絡を受けた際は、お客様の氏名や利用している車両、現在地、けが人の有無、車両の状態など、次の対応を判断するために必要な情報を確認します。事故の場合には、相手の有無や警察への連絡状況なども確認しておくと、その後の案内につなげやすくなります。

ただし、緊急時に多くの質問を一度にすると、言葉の違いによってやり取りが難しくなることも考えられます。「最初に確認する項目」「安全が確認できた後に聞く項目」のように順番を決め、受付担当が同じ流れで確認できるようにしておくとよいでしょう。

受付が確認する情報の例(早見表)

場面確認する情報の例
事故・故障の共通お客様の氏名、利用している車両、現在地、けが人の有無、車両の状態
事故の場合相手の有無、警察への連絡状況

店舗の連絡先を多言語で確認できる形にしておく

事故・故障が起きてから、お客様が店舗の電話番号を探す状態は避けたいところです。店舗名、電話番号、営業時間、営業時間外の連絡方法など、自社で必要な情報をまとめ、貸渡時に確認できるようにしておきます。

たとえば、名刺サイズの連絡先カードや車内に保管できる案内書面など、お客様がすぐ取り出せる形にする方法があります。電話番号だけでなく、「事故の場合」「車両が動かない場合」など、どのようなときにどこへ連絡するのかを多言語で示しておくと、緊急時にも行動を選びやすくなります。

連絡先カードにまとめておく情報

1店舗名・電話番号

事故・故障の連絡先として、すぐ分かるようにまとめておく。

2営業時間・時間外の連絡方法

営業時間と、営業時間外の連絡方法を載せておく。

3連絡先の使い分け

「事故の場合」「車両が動かない場合」など、どこへ連絡するかを多言語で示す。

4保管する形

名刺サイズのカードや、車内で保管できる書面を用意する。

連絡先カードや事故時フローを車内でも確認できるようにする

貸渡カウンターで口頭説明するだけでは、実際に事故・故障が発生したときに内容を思い出せない可能性があります。そのため、貸渡時の説明に加えて、お客様が車両利用中にも確認できる形で情報を残しておくことが重要です。

連絡先カードや事故時フローには、「安全を確保する」「事故の場合は警察へ連絡する」「店舗へ連絡する」など、必要な行動を順番に記載します。文章を長くするのではなく、番号や図などを使って行動の順序を示す方法も考えられます。

受付担当が電話で一から説明しなくても、お客様と同じ案内を見ながら「今はこの項目です」と確認できる状態をつくっておけば、言葉が十分に通じない場面での事故対応も進めやすくなります。

対応3|状況に応じてロードサービス・レッカーを手配する

路肩のレンタカーをレッカー車に積み込む様子と、現在地を示すピンを描いた図
自走できるか判断できないときは、ロードサービスやレッカーの手配につなげる

事故や故障によってレンタカーを動かせない場合は、ロードサービスやレッカーの手配が必要になることがあります。受付では、お客様から聞いた車両の状態だけで安易に走行できると判断せず、安全を優先しながら自社で定めた手順に沿って案内することが大切です。

自走できるかを確認して必要な手配につなげる

まず、車両がどのような状態にあるのかを確認します。エンジンがかからない、タイヤが損傷している、警告灯が点灯している、事故によって車体が損傷しているなど、状況によって必要な対応は異なります。

ただし、受付担当がお客様からの説明だけをもとに車両の安全性を判断するのは避けたほうがよいでしょう。安全に走行できるか判断できない場合は無理な移動を促さず、自社で定めた手順に沿って対応します。必要に応じて、ロードサービスやレッカーの手配につなげます。

お客様だけに手配を任せないための受付フローを整える

言葉が十分に通じないお客様に、ロードサービス会社を自分で探して連絡するよう求めると、連絡先や現在地、車両の状態などを正確に伝えることが難しい場合があります。

そのため店舗側では、「どのような場合に、どの連絡先へつなぐのか」「受付から手配するのか、お客様から連絡してもらうのか」などをあらかじめ決めておくと、緊急時にも案内しやすくなります。

また、お客様から現在地を聞く方法も整理しておきましょう。住所が分からない場合に備えて、近くの施設名や道路名など、場所を確認するための情報を複数想定しておくと、その後の手配につなげやすくなります。

受付フローで決めておく3つのこと

1連絡先の使い分け

どのような場合に、どの連絡先へつなぐかを決める。

2手配する人

受付から手配するか、お客様から連絡してもらうかを決める。

3現在地の確認方法

住所が分からない場合に備え、近くの施設名や道路名など、場所を確認するための情報を複数想定する。

ロードサービスの連絡先・利用条件を店舗内で共有する

ロードサービスの利用条件や連絡先は、契約内容などによって異なる場合があります。そのため、受付担当が個人の記憶に頼って案内するのではなく、自社で利用しているサービスの連絡先や手配方法、確認事項を店舗内で共有しておくことが重要です。

あわせて、お客様向けの事故時フローにも、必要に応じてロードサービスへつなぐことが分かる案内を記載しておくとよいでしょう。

事故・故障が発生してから連絡先や手順を調べるのではなく、店舗側とお客様側の双方が確認できる状態を貸渡前から整えておくことで、緊急時のロードサービス・レッカー手配を進めやすくなります。

対応4|NOC・免責補償制度は事故後だけでなく貸渡時に説明しておく

NOCと免責補償制度という、役割の異なる2つを左右に分けて描いた図
NOCと免責補償制度は、対象が異なるため分けて説明する

事故対応では、安全確保や警察・店舗への連絡だけでなく、事故後にお客様の負担が生じる可能性がある費用や補償についても説明が必要です。特にNOC(ノンオペレーションチャージ)と免責補償制度は、事故時のお客様負担に関係するものですが、同じものではありません。事故が起きてから初めて説明するのではなく、貸渡時にそれぞれの内容を確認してもらうことが大切です。

NOCと免責補償制度は同じものではない

NOC(ノンオペレーションチャージ)は、事故や故障、汚損などによって車両の修理や清掃等が必要となり、その期間中にレンタカーを使用できなくなることに対する営業補償として、お客様に負担いただく費用です。

一方、免責補償制度は、事故時に保険が適用された場合にお客様が負担する保険の免責額について、その負担を補償するためにレンタカー会社が設けている制度です。

つまり、NOCと免責補償制度では対象としているものが異なります。また、免責補償制度に加入していても、NOCの負担まで補償されるとは限りません。受付では、自社の制度内容に沿って、それぞれを分けて案内することが重要です。

NOCと免責補償制度の違い(早見表)

項目NOC(ノンオペレーションチャージ)免責補償制度
対象事故・故障・汚損などで修理や清掃等が必要になり、その期間レンタカーを使用できなくなること事故時に保険が適用された場合に、お客様が負担する保険の免責額
位置づけ営業補償として、お客様に負担いただく費用免責額の負担を補償するために、レンタカー会社が設けている制度
注意点免責補償制度に加入していても、NOCの負担まで補償されるとは限らない内容・加入条件・補償の範囲は、レンタカー会社によって異なる

📎 出典:全国レンタカー協会「レンタカーについてのご相談」/国民生活センター「レンタカーでの傷トラブルにご用心-記録、確認、連絡!-」

保険・補償の内容や適用条件は各社で異なる

免責補償制度の内容や加入条件、補償の範囲などは、レンタカー会社によって異なります。また、事故が発生した場合に、どの保険・補償が適用されるかについても、契約内容や事故の状況、貸渡約款等で定められた条件によって扱いが異なる場合があります。

全国レンタカー協会では、事故時に警察やレンタカー事業者へ連絡しなかった場合など、保険・補償制度が適用されないケースがあると案内しています。

そのため受付担当は、「免責補償制度に加入しているから費用負担は発生しない」といった案内をせず、自社の貸渡約款や補償条件を確認したうえで説明することが大切です。

📎 出典(保険の適用=全国レンタカー協会/保険・補償制度の適用=国民生活センター):全国レンタカー協会「レンタカーのご利用にあたって」/国民生活センター「レンタカーでの傷トラブルにご用心-記録、確認、連絡!-」

事故発生後の説明だけでは認識の違いが生じやすい

事故が起きた直後は、お客様も落ち着いて説明を聞ける状況とは限りません。そのタイミングで初めてNOCや免責補償制度について説明すると、「その費用は聞いていない」「免責補償制度に加入しているから、すべて補償されると思っていた」といった認識の違いにつながる可能性があります。

そのため、NOCや免責補償制度、保険・補償の適用条件については、事故が起きていない貸渡時に説明し、お客様が内容を確認できる状態にしておくことが重要です。

貸渡時に多言語で提示し、確認内容を記録しておく

言葉が十分に通じないお客様への説明では、口頭で伝えるだけでなく、NOCや免責補償制度、事故時の連絡方法などを多言語で確認できるようにしておく方法があります。

さらに、「どの案内を提示したか」「お客様がどの内容を確認したか」を後から確認できる運用にしておけば、店舗側でも貸渡時の案内状況を把握しやすくなります。

大切なのは、記録を残すこと自体を目的にするのではなく、お客様が事故前に必要な情報を確認できる環境を整えることです。事故対応をスムーズにするためにも、事故後の案内だけでなく、貸渡時の説明までを一つの流れとして考えておきましょう。

貸渡時に提示しておきたい内容

1NOCの内容

事故後だけでなく、貸渡時にも内容を確認できるようにする。

2免責補償制度の内容

NOCとは分けて、自社の制度内容を示す。

3事故時の連絡方法

事故が起きた場合の連絡先を、多言語で確認できるようにする。

4確認できる環境

記録を残すこと自体を目的にせず、お客様が事故前に必要な情報を確認できる環境を整える。

対応5|代車の有無と以降の予定変更について案内する

レンタカー店のカウンターで、スタッフが車の鍵と日程表の用紙を示し、スーツケースを持つ海外からの家族連れに説明する様子
代車の有無と返却予定の変更は、確認してから案内する

事故・故障への初動対応やロードサービス等の手配が進んだら、その後のレンタカー利用についても案内します。お客様にとっては、事故・故障そのものへの不安だけでなく、「この後は移動できるのか」「返却予定はどうなるのか」といった点も大きな関心事です。受付では、代車の有無や返却予定の変更など、次に確認すべきことを整理して案内しましょう。

代車を用意できるか確認して案内する

事故・故障によって利用中の車両で移動を続けられない場合、代車を用意できるかを確認します。ただし、代車を用意できるかどうかは、店舗の車両状況や契約内容、事故・故障の状況などによって異なる場合があります。

そのため、お客様から問い合わせを受けた段階で代車を用意できると決めつけず、必要な確認を行ったうえで案内することが大切です。すぐに判断できない場合も、「確認してから案内する」ことを伝え、回答までの流れを分かりやすく示します。

返却場所・返却時間などに変更が生じる場合の対応を整理する

事故・故障が発生すると、当初予定していた返却場所や返却時間での対応が難しくなることも考えられます。レッカーで車両が運ばれた場合や代車へ切り替えた場合など、それぞれの状況に応じて必要な案内を行います。

受付担当がその場で判断できない事項については、社内で確認する項目や連絡先を決めておくと対応しやすくなります。お客様には、確定している内容と確認中の内容を分けて伝え、まだ決まっていないことを確定事項のように案内しないことも重要です。

その場で回答できない場合の案内方法も決めておく

事故・故障の対応では、ロードサービスの到着状況や車両の状態などによって、その後の予定がすぐには決まらない場合があります。そのようなときに「分かりません」で終わらせるのではなく、次に店舗から連絡する内容や連絡方法など、自社で案内できる範囲を伝えます。

言葉が十分に通じないお客様の場合は、電話で何度も複雑な説明をするより、必要に応じて多言語の書面などを活用しながら案内する方法も考えられます。

対応5で案内する3つのこと

1代車の有無

用意できるかを確認してから案内する。用意できると決めつけない。

2返却場所・返却時間

変更が生じる場合は、確定している内容と確認中の内容を分けて伝える。

3次の連絡

その場で回答できない場合は、次に店舗から連絡する内容と方法を伝える。

事故・故障後の対応は、車両への対処が終われば完了するわけではありません。お客様が「次に何をすればよいのか」を把握できるところまで案内することを、受付の事故対応フローに含めておくことが大切です。

事故・故障が起きる前に貸渡時の多言語対応を整えておく

レンタカー店のロビーで、リュックを背負った海外からの旅行者がセルフチェックイン機(受付端末)の画面に触れる様子
貸渡前に確認してほしい内容を、受付端末で多言語で提示する

ここまで紹介した5つの対応を事故・故障が発生してから説明するだけでは、言葉が十分に通じないお客様とのやり取りに時間がかかる可能性があります。そこで重要になるのが、貸渡時の準備です。緊急時に必要な情報をあらかじめ多言語で確認できるようにし、店舗側でも同じ内容を案内できる運用を整えておきましょう。

貸渡時に準備しておきたい4つのこと

1多言語の書面

事故・故障時に取る行動の順序と、緊急連絡先をまとめる。

2NOC・免責補償制度の案内

補償の適用条件とあわせて、分かりやすく提示する。

3確認できる運用

どのタイミングで、どの案内を提示するかを店舗内で決める。

4受付端末の活用

案内内容をそろえる方法の一つとして、多言語対応のセルフチェックイン機(受付端末)の活用を検討する。

事故時フローと緊急連絡先を多言語の書面にする

まず用意したいのが、事故・故障時に取る行動を順番にまとめた書面です。

たとえば、「安全を確保する」「事故の場合は警察へ連絡する」「店舗へ連絡する」「必要に応じてロードサービスの案内を受ける」といった流れを、番号を付けて確認できるようにします。店舗の電話番号や営業時間外の連絡方法なども、自社の運用に合わせて記載しておくとよいでしょう。

国土交通省の地方運輸局などでも、レンタカー利用時の交通ルールや事故時の対応を複数の言語で案内する資料が公開されています。こうした公的な資料も参考にしながら、自社で必要な案内を整理する方法があります。

📎 参考(四国運輸局の例。事故時の対応手順はPDF「情報・全体図」に掲載):国土交通省 四国運輸局 レンタカー利用者向け交通安全情報(令和2年度調査事業・英語/繁体字/日本語)

NOC・免責補償制度・補償の適用条件を分かりやすく提示する

事故時のお客様負担や補償に関する内容も、貸渡時に確認できるようにします。特にNOCと免責補償制度は同じものではないため、それぞれの内容を分けて示すことが大切です。

免責補償制度については、保険が適用された場合にお客様が負担する免責額との関係を説明したうえで、自社の制度内容や加入条件を案内します。また、免責補償制度に加入していてもNOCの負担まで補償されるとは限らないため、自社での取り扱いを明確に伝えることも重要です。

保険・補償の内容や適用条件は各社で異なります。お客様向けの案内を作成する際には、自社の貸渡約款や補償内容と一致しているかを確認し、翻訳した文章だけが独立して運用されないよう注意しましょう。

「何が補償されるか」だけでなく、「事故が起きた場合にどこへ連絡するか」など、お客様が実際に取るべき行動とあわせて提示すると、緊急時にも確認しやすくなります。

説明した内容を確認できる運用をつくる

多言語の書面を用意しても、受付担当によって提示する内容が異なれば、案内にばらつきが生じます。そのため、「どのタイミングで、どの案内を提示するか」を店舗内で決めておくことが重要です。

さらに、お客様に提示した内容や確認状況を後から確認できる運用にしておけば、貸渡時に必要な案内が行われたかを店舗側でも把握しやすくなります。

ただし、記録を残すだけで十分というわけではありません。お客様が内容を確認しやすい表示になっているか、必要な情報が伝わる内容になっているかもあわせて見直すことが大切です。

セルフチェックイン機(受付端末)で貸渡時の案内をそろえる

こうした貸渡時の案内を店舗内でそろえる方法の一つが、多言語対応のセルフチェックイン機(受付端末)の活用です。

受付端末上で、事故時の連絡先やNOC・免責補償制度など、貸渡前に確認してほしい内容を多言語で提示する運用にすれば、受付担当がその都度翻訳ツールを使って説明する場合と比べて、案内内容をそろえやすくなります。

また、お客様が確認した内容を記録として残せる運用であれば、貸渡後に事故・故障が発生した際にも、どの案内を行ったかを確認しやすくなります。

セルフチェックイン機(受付端末)は、単に受付作業を進めるためだけではなく、事故対応に必要な情報を貸渡時に提示するための手段としても活用できます。事故が起きてから言葉の違いに対応するのではなく、貸渡前から「伝える内容」と「確認する流れ」を整えておくことが、多言語での事故対応を進めやすくするポイントです。

貸渡時の案内方法の違い(早見表)

貸渡時の案内方法特徴
翻訳ツールで都度説明する受付端末で提示する場合と比べて、案内内容をそろえにくい
多言語の受付端末で提示する事故時の連絡先やNOC・免責補償制度など、貸渡前に確認してほしい内容を、店舗でそろえて提示しやすくなる
確認内容を記録できる運用であれば貸渡後に事故・故障が発生したときも、どの案内を行ったかを確認しやすい

<あわせて読みたい記事>

よくある質問(FAQ)

レンタカーの事故対応で、受付が最初に案内することは何ですか?

けが人の有無と、安全の確保です。事故の場合は、そのうえで警察への届出を案内します。

小さな事故や単独事故でも、警察への届出を案内しますか?

はい、案内します。受付側だけで事故の大小を判断せず、案内できるフローにしておきます。道路交通法は、運転者などに警察への報告を定めています。

免責補償制度に加入していれば、費用負担は発生しませんか?

免責補償制度に加入していても、NOCの負担まで補償されるとは限りません。補償の内容は会社ごとに異なるため、自社の貸渡約款や補償条件に沿って説明します。

NOC(ノンオペレーションチャージ)と免責補償制度は、何が違いますか?

NOCは、事故や故障、汚損などで車両を使用できない期間の営業補償として、お客様に負担いただく費用です。免責補償制度は、保険適用時の免責額の負担を補償するレンタカー会社の制度です。内容は会社ごとに異なります。

ロードサービスやレッカーは、誰が手配しますか?

受付から手配するか、お客様から連絡してもらうかを、店舗であらかじめ決めておきます。言葉が十分に通じない場合、お客様だけに任せると、現在地や車両の状態を正確に伝えにくいことがあります。

代車をすぐに用意できない場合は、どう案内しますか?

用意できると決めつけず、確認してから案内することを伝えます。次に店舗から連絡する内容と方法も、あわせて示しましょう。

貸渡時の多言語の案内には、何を載せますか?

事故・故障時の行動の順序、店舗の電話番号、営業時間外の連絡方法などです。NOCや免責補償制度の内容も、貸渡時の案内に入れておきます。

まとめ|事故・故障対応は「発生後の案内」と「貸渡前の準備」をセットで考える

海外からのお客様がレンタカーの利用中に事故・故障に遭った場合、言葉が十分に通じない状況でも必要な案内を進められるよう、受付で対応の順番を決めておくことが大切です。

事故の場合は、まずけが人の確認と安全確保を優先し、警察への届出を案内します。そのうえで店舗への連絡、必要に応じたロードサービス・レッカーの手配、NOC・免責補償制度などの確認、代車やその後の予定に関する案内へと進みます。保険・補償や代車などの扱いは条件によって異なるため、自社の貸渡約款や運用に沿って説明することも重要です。

さらに、事故・故障が起きてからすべてを説明するのではなく、緊急連絡先や事故時フロー、NOC・免責補償制度などを貸渡時から多言語で確認できるようにしておくと、緊急時の案内を進めやすくなります。

多言語対応のセルフチェックイン機(受付端末)を活用し、必要な情報を貸渡時に提示する方法も選択肢の一つです。事故対応を「事故が起きた後だけの業務」と考えず、貸渡前の案内まで含めて店舗内の流れを整えておきましょう。

KAFLIX CLOUDスタッフ 金城
KAFLIX CLOUDスタッフ 金城
2022年よりレンタカーシステム関連業界に従事。IT・システムの知見を強みに、業務効率化やDX推進につながるレンタカー業界向けの情報発信に力を入れている。

弊社について

株式会社KAFLIXCLOUD(カフリックスクラウド)といいます。レンタカー業界が抱える人手不足や、アナログ対応による業務過多といった悩み解決を目指すレンタカー予約管理システムを提供しています。
日本全国のレンタカー事業者の皆様と向き合いながら、現場の業務負担軽減に関するお悩みにこれからも耳を傾けつづけます。