

レンタカー事業を始めるにあたり、必ず理解しておきたいのが「車検期間」の考え方です。
自家用車を所有している方であれば、車検そのものに馴染みはあるものの、その感覚のままレンタカー事業を進めてしまうと、思わぬトラブルや事業リスクにつながることがあります。
レンタカーは事業として車両を貸し出すため、車検期間の扱いを誤ると、稼働できる車両が減少したり、営業計画に影響が出たりする可能性もあります。
今回の記事では、「そもそも車検とは何か」という基礎から、レンタカーにおける車検期間の考え方、自家用車との違い、さらに事業者が注意すべきポイントまでを整理します。これからレンタカー事業を始める経営者が、車検期間に関する不安や疑問を解消し、安定した事業運営に向けた判断ができるよう、分かりやすく解説していきます。

車検とは、法律に基づいて自動車が安全に走行できる状態かどうかを定期的に確認するための制度です。
ブレーキやハンドル、灯火類、排出ガスなど、保安基準に適合しているかを検査し、公道を走行するうえで問題がないことを証明します。
この制度は、ドライバー自身の安全だけでなく、同じ道路を利用する第三者の安全を守る役割も担っています。
レンタカーのように不特定多数が利用する車両では、特に重要な制度といえるでしょう。
自家用車の場合、一般的な普通車や軽自動車では、新車登録から初回車検までが3年、その後は2年ごとに車検を受ける流れが基本です。
多くの人は「次の車検まであとどれくらいか」という感覚で管理しており、日常利用の延長として車検を捉えています。
このような考え方は自家用車としては自然ですが、事業用途であるレンタカーでは、そのまま当てはめることができない点に注意が必要です。
レンタカー事業では、車検期間は単なる法定手続きではなく、事業運営に直結する要素です。車検期間中は車両を貸し出すことができず、その車両は一時的に稼働から外れます。
車検期間の把握が不十分な場合、次のような影響が出る可能性があります。
レンタカー事業者にとって車検期間とは、「いつ手続きをするか」ではなく、「いつ事業に影響が出るか」を考えるべきポイントだと理解しておくことが重要です。

レンタカーに使用される車両は「貸渡自動車」として扱われ、個人利用を前提とした自家用車とは運用の前提が異なります。
制度としての車検は共通ですが、レンタカー事業では、車検期間の管理が稼働台数や売上計画に直接影響する点が大きな特徴です。
車検が切れた車両は貸し出せないため、想定外の車検対応が発生すると、予約調整や機会損失につながります。
そのため、レンタカーでは車検期間を「期限管理」ではなく、事業計画の一部として前倒しで把握・調整する対象として捉える必要があります。
レンタカーの車検期間は、車両がレンタカー(貸渡自動車)として登録されているかどうかによって決まります。
まずは代表的な区分を表で整理すると、全体像が把握しやすくなります。
・レンタカー(貸渡自動車)
初回車検(新車時):2年
継続車検(2回目以降):1年(※軽自動車は2年)
・自家用車(普通車・軽自動車)
初回車検(新車時):3年
継続車検(2回目以降):2年
レンタカーでは、毎年車検対応が必要になるケースがある点が、自家用車との大きな違いです。
自家用車と同じ感覚でスケジュールを考えていると、「思っていたより早く車検が来る」と感じることもあります。
実際の有効期間は、車検証に記載されている有効期間を必ず確認することが重要です。
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中古車を購入してレンタカー事業に使用する場合、購入時に残っている車検期間はそのまま引き継がれます。
ただし、レンタカー登録(いわゆる「わ」ナンバーへの変更)後は、次回の車検からレンタカー(貸渡自動車)としての車検期間が適用されるため、結果的に車検サイクルが短くなる点に注意が必要です。
「車検が残っているから当面は安心」と考えてしまうと、想定より早く車検対応が必要になり、事業計画に影響が出ることもあります。
中古車を導入する際は、購入時点の車検残期間だけでなく、レンタカー登録後の車検時期まで含めて確認しておくことが重要です。
レンタカー事業における車検期間は、単なる法定手続きではなく、安定した運営を支える前提条件の一つです。
車検期間中は車両を稼働させることができないため、稼働率や売上計画にも直接影響します。
そのため、「いつ車検が切れるか」だけでなく、「どの時期に車検を受けるのか」「複数台の車検時期が重ならないか」といった点を事前に整理しておくことが重要です。
車検期間を正しく把握し、計画的に対応することが、レンタカー事業を安定して継続するための土台となります。

車検期間の管理を誤ると、単に「その車両が使えない」という問題にとどまりません。貸し出し停止による影響は、事業全体に波及します。
車検期間の管理ミスは、事業運営上のリスクとして捉える必要があります。
過去には、レンタカー事業において車検期間の管理が行き届かず、車検が切れた状態の車両を誤って貸し出してしまった事例も報告されています。
このようなケースでは、事業者が行政指導を受けたり、営業体制の見直しを迫られたりすることがあります。
実在の企業名を挙げる必要はありませんが、共通しているのは「車検期間の把握が属人的だった」「管理方法が十分に整備されていなかった」といった点です。
車検切れ車両の貸出は、意図的でなくても発生し得るリスクであり、事業者にとって決して他人事ではありません。
車検や点検を「定期的にやればよい手続き」と軽く捉えてしまうと、レンタカー事業では大きなリスクにつながります。
レンタカーは不特定多数が利用するため、車両トラブルが発生した場合の影響範囲が広く、事業者としての責任も重くなります。
車検期間の管理が不十分な状態は、事業運営の信頼性そのものを損なう要因になりかねません。
だからこそ、レンタカー事業では車検や点検を「現場任せ」にするのではなく、経営判断として管理体制を整えるべき項目として位置づけることが重要です。

レンタカー事業において、車検期間は「各車両ごとの期限」ではなく、事業全体の運営に関わる情報として捉える必要があります。
どの車両が、いつ車検を迎えるのかを把握できていなければ、稼働計画や予約対応に影響が出るからです。
特に複数台を運用する場合、「この1台が止まっても何とかなる」という感覚で判断してしまうと、知らないうちに稼働余力を削ってしまうこともあります。
車検期間は、売上・稼働・人員配置を考える前提情報として整理しておくことが重要です。
開業初期によく見られるのが、車検時期を担当者の記憶やカレンダーへの手書きメモ、紙の一覧表などで管理しているケースです。
これらは少数台であれば対応できることもありますが、車両が増えるにつれて管理漏れや見落としが起きやすくなるというリスクがあります。
特に注意したいのは、
「把握しているつもりだったが、実は確認できていなかった」という状況は、車検管理では珍しくありません。
<参考記事>
レンタカーの車両管理をもっとラクに!REbornでできる効率化ポイント
レンタカー事業を安定して運営するためには、開業初期の段階から、車検期間を仕組みとして管理する意識を持つことが大切です。
最低限、次のようなポイントは押さえておきたいところです。
車検期間の管理は、後から整えようとすると手間がかかります。
だからこそ、「まだ台数が少ない今のうち」に管理方法を整えておくことが、将来的な負担軽減につながります。

レンタカー事業において、車検期間は単なる法定手続きではなく、事業運営そのものに影響する重要な要素です。
自家用車と同じ感覚で考えてしまうと、想定より早い車検対応が必要になったり、稼働計画にズレが生じたりする可能性があります。
本記事では、車検の基本的な仕組みから、レンタカー特有の車検期間の考え方、自家用車との違い、そして事業者として注意すべきポイントまでを整理しました。
特にレンタカーでは、車検期間中は車両を貸し出せないため、稼働台数や売上計画に直結するという点を意識することが重要です。
また、中古車を導入する場合や、複数台を運用する場合には、車検時期が重なることで事業に影響が出るケースも考えられます。
そのため、車検期間は「期限を覚えておくもの」ではなく、事業計画の一部として把握・管理すべき情報として捉える必要があります。
レンタカー事業を安定して運営するためには、開業初期の段階から車検期間を正しく理解し、計画的に対応できる体制を整えておくことが欠かせません。
車検期間を適切に管理することが、トラブルを防ぎ、安心してレンタカー事業を続けていくための土台となるでしょう。