

Agoda=宿泊予約だけ?実はレンタカーも扱うOTAへ
Agoda(アゴダ)といえば、ホテルや宿泊施設の予約サイトとして世界的に有名なOTA(Online Travel Agent)です。
しかし近年、Agodaは単なる宿泊予約サイトにとどまらず、「旅行体験全体を一括で予約できる総合トラベルプラットフォーム」へと進化を遂げています。
特に注目されているのがレンタカーサービスの強化です。アジアを中心に海外旅行者が増加する中で、「宿泊だけでなく、現地での移動手段もまとめて予約したい」というニーズが高まっています。
これに応える形で、Agodaはレンタカーや空港送迎など“地上交通”の領域にも本格参入しています。旅行者の利便性を高めるとともに、レンタカー事業者にとっても新たな販路として注目されています。

Agodaは2005年にシンガポールで設立され、現在はBooking.comやPricelineなどを擁するBooking Holdingsグループの一員として運営されています。
世界200以上の国・地域に展開し、40以上の言語に対応。特にアジア市場では圧倒的なブランド力とユーザー数を誇ります。
もともとはホテル予約に特化したプラットフォームとして成長しましたが、近年は旅行体験全体をカバーするエコシステムを構築中です。
Agodaのレンタカー予約サービスは、Rentalcars.com(レンタルカーズ・ドットコム)との連携によって提供されています。
Rentalcars.comは、世界最大級のレンタカー比較・予約プラットフォームであり、Booking.comと同じくBooking Holdingsグループの一員です。
つまり、AgodaとBooking.comといったOTAは、グループ内のレンタカー専門プラットフォームであるRentalcars.comの在庫を自社サイト上で販売している、という関係性になります。
この仕組みにより、利用者はAgodaの使い慣れた操作画面(UI)のまま、60,000以上のロケーションの車両を比較・予約できるのです。
参考:Booking.comのレンタカー事例について - 訪日ラボ
<参考記事>
Booking.comとは?レンタカー予約も可能な世界的OTAの基本と特徴を解説

Agodaのレンタカーサービスは日本語を含む多彩な言語に対応しており、海外からの利用者にも使いやすい設計になっています。
多言語化されたUI・予約プロセス・サポート体制が整っており、アジアや欧米など幅広いエリアのユーザーが利用可能です。
Agodaの利用者は国や都市を問わず豊富な選択肢から選べます。
たとえば、日本国内でもANAワールドレンタカーとしてANA X株式会社と提携し、Agoda経由で車を予約できる専用サイトが開設されています。
参考:ANAワールドホテル・ANAワールドレンタカー - ANAマイレージクラブ
参考:ANA World Hotel(レンタカー予約ページ)
このように、旅行会社・航空会社との連携を通じ、旅行動線全体をカバーするサービス展開が進んでいます。
Agodaでは、宿泊、航空券、レンタカーを一度に予約できるサービスを提供しています。
ただし、現時点では、それぞれの予約と決済はAgodaのプラットフォーム内で順番に行う形となります。
Agodaで予約をしても、実際の貸出・返却・現地対応は提携レンタカー会社が行います。
これにより、OTAとしての利便性を保ちながら、現場オペレーションは各事業者が担う仕組みが確立されています。


Agodaは、ホテル予約の枠を超えてレンタカー事業にも本格参入しているOTAです。
旅行者にとっては、宿泊と移動をAgodaのサイト内で予約できる利便性が魅力であり、レンタカー事業者にとっては海外顧客への新しい販売チャネルとしての可能性を秘めています。
一方で、現地サポート体制や契約面でのハードルなど、リスク面も存在します。
今後は、AgodaのようなグローバルOTAとどう連携し、どのようにリスクを最小化していくかが鍵となるでしょう。
「宿泊×交通」の一体型サービスが進む中、Agodaのレンタカー販売は今後さらに存在感を高める領域です。
国内レンタカー事業者にとっても、その動向を見逃せません。