

2025年春から「マイナンバーカード」と「運転免許証」が一体化され、マイナ免許証として開始されています。
この新しい本人確認手段の登場により、レンタカー業界のオペレーションにも変化が求められるようになってきました。
しかし現場では、「マイナ免許証での貸渡対応ってどうすればいいの?」「機器の準備は必要?」「デメリットは?」といった不安の声も少なくありません。
今回の記事では、マイナンバーカードのICチップに運転免許証と同等の情報を格納できるマイナ免許証の基本から、導入のメリット・デメリット、そしてレンタカー業界における対応状況まで詳しく解説します。

マイナ免許証とは、マイナンバーカードのICチップに運転免許証の情報を格納し一体化することで、1枚のカードで本人確認と運転資格の証明が可能になる新しい制度です。(2025年春から本格的な運用がスタート)
この制度では、外見は従来のマイナンバーカードと変わらないものの、ICチップ内に運転免許証情報が記録され、専用アプリや読み取り端末を使うことで運転免許情報が確認できる仕組みです。
従来の運転免許証とは異なり、目視での確認ができないため、デジタル端末の活用が前提となります。 導入の背景には、行政のデジタル化を推進する政府方針があります。
少子高齢化や人手不足といった社会課題に対応するため、本人確認手続きの簡素化・効率化が求められている中で、運転免許証とマイナンバーカードの一体化によって行政サービスの利便性を高める狙いがあります。
利用を開始するには、運転免許センターでの免許証更新時や警察署で申請が可能で、申請後はマイナンバーカードに運転免許証情報が格納されます。
今後は、各種サービスの本人確認でも活用されることが期待されています。

マイナ免許証の導入は、単に運転免許証とマイナンバーカードの一体化を進めるだけでなく、本人確認のあり方そのものを見直す転換点となります。
ここでは、導入によって考えられる主なメリットとデメリットについて整理します。

マイナンバーカードの機能を活用して運転免許証と統合することも、従来の免許証を保持することも可能です。
ただし、マイナ免許証と運転免許証の2枚持ちは、手続きや免許更新のたびに費用や時間が増えるデメリットがあります。
一方、マイナ免許証のみでの運用はスマートで便利ですが、IC読み取り対応機器が必須になります。
自分の生活スタイルに合わせて「マイナ免許証のみ」「運転免許証とマイナ免許証の併用」「従来の運転免許証のみ」を選択できる点が特徴です。
参考:マイナンバーカードと運転免許証の一体化-警察庁Webサイト

マイナ免許証は、法的には有効な運転免許証として認められています。
ただし、店舗側の端末やアプリがマイナンバーカードの読み取りに対応しているかがポイントです。
現場では、免許証とマイナンバーカードを混同しないよう運用ルールの明確化が必要であり、スタッフ教育や案内体制の整備も欠かせません。
特に、免許更新後にカード仕様が変わるケースでは、確認手順を見直す必要があります。
多くのレンタカー店舗では警察庁公式の「マイナ免許証読み取りアプリ」とスマートフォン、専用の読み取りアプリや端末などを利用した提示方法を採用しています。
※以下は、当記事を公開した2025年時点の情報です。 今後各レンタカー会社でマイナ免許証の対応方法が随時変更する可能性があります。
レンタカー利用者のスマートフォン等の端末にインストールされた「マイナ免許証読み取りアプリ」(またはマイナポータル)を使用し、読み取ったマイナ免許証の情報を店舗スタッフに提示することで貸渡が可能です。
スマートフォン等の端末で、「マイナポータル」にログインするか、「マイナ免許証読み取りアプリ」を利用し、免許情報を店舗スタッフに提示することで貸渡が可能です。
セルフチェックインまたはセルフライドゴー/e-シェアモビをご希望のレンタカー利用者に関しては、予約時に「マイナ免許証読み取りアプリ」にて保存した運転免許証画像を提示するか、もしくは「日産レンタカーアプリ」経由で画像を提出することで対応が可能です。
また、来店時のカウンター手続きを利用の場合は、店舗内の専用端末でマイナ免許証の免許情報を読み取ることもできます。
参考:日産レンタカー公式ページ
運転免許証情報が記録されたマイナンバーカード「マイナ免許証」での受け付けに対応。スマートフォン等の「マイナ免許証読み取りアプリ」にて保存した運転免許証情報をスタッフに提示することで対応が可能です。
全国レンタカー協会では、「その場で端末を使って免許証の情報を確認できない場合」や「事前に保存したスクリーンショット画像での提示」については、貸渡をお断りする可能性があると注意喚起を行っています。
また、マイナンバーカード本体を持参せず、マイナポータルの画面だけでは運転免許証の代わりにはなりません。
これにより、スクリーンショットの提示だけでは本人確認が不十分とみなされ、対応基準の明確化が今後の業界課題となっています。
参考:全国レンタカー協会

マイナ免許証の運用が進むにつれて、レンタカー事業者に求められるのは、運転免許証とマイナンバーカードをスムーズに識別・照合できるオペレーション体制です。
まず、店舗にはマイナ免許証を読み取る端末や、スマートフォン提示での免許情報確認に対応できる設備が必要になります。
読み取りの際は、「マイナ免許証読み取りアプリ」を利用して表示された免許情報画面を確認するか、もしくは店舗でICチップを読み取る専用機器の導入が必要です。
また、受付スタッフへの教育も欠かせません。 マイナ免許証への理解や対応手順をマニュアル化し、あらゆるケースにスムーズに対応できる体制が求められます。
お客様によっては提示方法が分からずに戸惑うこともあるため、スタッフの説明スキルや案内の丁寧さも重要なポイントです。
さらに、予約時にマイナ免許証での予約の可否を事前に案内しておけば、マイナ免許証での貸渡トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
マイナ免許証の普及に対応するためには、単に端末を用意するだけでなく、店舗運営全体の最適化を図る視点が必要です。

当記事を掲載しているKAFLIX CLOUDでは、レンタカー用チェックイン機において、マイナ免許証への対応機能を追加しました。(2025年5月より提供開始)
今回の機能追加では、レンタカー利用者は必要情報を入力後、チェックイン機に接続されたカードリーダーにマイナンバーカードをかざすだけで、セルフでの出発受付が可能です。
AI技術を利用した顔認証機能との組み合わせにより本人確認もスムーズに行え、受付所要時間は1組あたり約3〜5分で完了します。
KAFLIX CLOUDのチェックイン機の導入をご検討中の方や、詳細についてもっと知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
業務効率化や無人受付の実現に向けて、最適なご提案をさせていただきます。
<参考記事>
セルフチェックイン機でレンタカー受付を効率化!人手不足解消と業務効率UPを実現

マイナンバーカードの普及とともに、運転免許証との一体化によるマイナ免許証が本格的に進んでいます。
この仕組みは、行政手続きの簡略化や利便性向上というメリットがある一方で、紛失リスクや機器対応などのデメリットも無視できません。
レンタカー業界にとっては、対応の遅れが顧客満足度の低下や業務混乱につながる恐れがある一方、柔軟な対応ができれば他社との差別化にもなります。
実際に各社の対応は分かれており、事前確認や受付時の案内体制、店舗機器の整備など、多くの要素を見直す必要があります。
今のうちから、従来の運転免許証とマイナンバーカードの運用を見直し、免許更新や受付対応におけるデジタル化への準備を進めることが重要です。
そうした中、チェックインシステム導入による受付の自動化は、対応力を大きく高める有効な手段となります。
当記事を執筆しているKAFLIX CLOUDでも、マイナ免許証に対応したチェックインシステムの開発を進めており、受付から本人確認までをスムーズに無人で完結できる環境整備を目指しています。
業務効率化や省人化が求められる今、こうしたデジタル対応はレンタカー運営の未来を左右する重要なステップです。