近年、訪日旅行者の増加に伴い、レンタカーの需要も大きく伸びています。
特に韓国や台湾など、近隣諸国からの旅行者が地方観光に利用する手段として「レンタカー」が選ばれるケースが増えています。
そうした中で、Booking.comやExpediaなど、海外のオンライン旅行代理店(OTA)を通じたレンタカー予約が一般化しています。
しかし、現場の店舗スタッフにとっては「予約の把握が難しい」「どのOTAに在庫を出しているか分からない」「ダブルブッキングが心配」といった悩みの声も多く聞かれます。
このような課題を解決する鍵として、今注目を集めているのが「GDS(Global Distribution System)」という仕組みです。
複数のOTAと予約・在庫情報をリアルタイムで連携し、海外からの予約を効率よく・正確に受け入れるための基盤として、レンタカー業界にも導入が進みつつあります。
Online Travel Agency(オンライン旅行代理店)の略。インターネット上で宿泊や交通手段、レンタカーなどを予約できるサービス。代表例には、Booking.com、Expedia、楽天トラベルなどがあります。
GDS(Global Distribution System)とは、旅行業界における「予約情報の集約・分配システム」のことを指します。
各種サービス提供者(航空会社、ホテル、レンタカー会社など)と、販売チャネル(旅行代理店やOTA)をリアルタイムで接続し、在庫や料金、予約情報を一元的にやり取りできる「情報のハブ」として機能します。
たとえば航空業界では、Amadeus(アマデウス)、Sabre(セーバー)などのGDSを通じて、航空券の空席状況や価格が全世界の旅行会社やOTAサイトに配信され、リアルタイムで予約が成立します。
利用者がどこにいても、航空会社に直接アクセスすることなく予約ができるのは、このGDSの存在があるからです。
ホテル業界でも、GDSを利用することで複数のOTAサイトや旅行会社への在庫一括提供が可能となり、予約受付・価格設定・販売戦略の一元管理を実現しています。
この仕組みにより、グローバルに予約を獲得しつつ、ダブルブッキングのリスクを回避し、業務効率化を図る運用が定着しています。
これまでレンタカー業界では、各OTAと個別に連携し、予約の確認や在庫管理、価格設定を都度手入力で行うのが主流でした。
しかし、海外OTAとの接続が増え、リアルタイム対応や多言語対応のニーズが高まる中、GDSによる一括管理のニーズが急速に高まっています。
GDS導入によって、レンタカー会社は以下のような恩恵を受けられます。
つまり、GDSはレンタカー業界のデジタル化を加速させる中核的なインフラであり、特に海外OTAとの連携を重視する企業にとっては、今後欠かせない存在となっていくでしょう。
GDSを導入することで、海外OTAとのスムーズな連携が可能となり、レンタカー事業の販路拡大や業務効率化に大きく貢献します。
この章では、実際に得られる3つの代表的なメリットを紹介します。
GDSを活用すれば、Booking.com、Expedia、Agodaなどの主要な海外OTAとAPIを通じてシームレスに接続できます。
これにより、外国語ページからのユーザー流入が促進され、海外在住ユーザーによる予約が増加する傾向にあります。
レンタカー事業者は各OTAと個別にAPI連携を行わなくても、GDSを通じた一回の接続で複数チャネルとのデータ連携が可能となります。
その結果、中小規模のレンタカー事業者でも、手間やコストを抑えつつ、世界中の旅行客にアプローチできる環境が整います。
GDS上でOTA別に管理していた在庫を一元化することで、リアルタイムでの在庫反映が可能になります。
これにより、ダブルブッキングや人的ミスを防ぎ、正確な在庫情報の維持が容易になります。
従来のスプレッドシート管理や手入力では、予約状況の更新漏れや重複が発生しやすく、顧客対応にも影響を与えていました。
GDS導入後は、在庫情報の整合性が常に保たれるため、顧客満足度の向上にもつながります。
GDSを導入することで、これまでの予約情報の手入力や在庫更新、ダブルチェック作業が不要になります。
予約情報は各OTAからリアルタイムで自動反映されるため、確認漏れや記載ミスといったヒューマンエラーのリスクが大幅に低下します。
さらに、複数のOTAを横断して在庫や顧客情報を管理する煩雑さも解消され、一元管理による業務効率の向上が実現します。店舗スタッフは予約情報の手入力や在庫更新から解放され、より重要な接客やサービス向上に時間を割けるようになります。
このような運用の見直しにより、限られた人員でも多くの予約に対応可能となり、無駄な人件費や管理コストの削減にもつながります。
少人数体制で効率的に運営したい中小規模のレンタカー事業者にとって、大きなメリットです。
API(Application Programming Interface)とは、異なるシステム同士をつなぐ“橋渡し役”の技術です。 例えば、OTAで予約された情報が、自動的に予約管理システムに送られるのは、APIが両者をつないでいるからです。 API連携により、リアルタイムで正確な情報共有が可能になります。GDSもAPIを活用することで、多数のOTAとの効率的な接続を実現しています。
REbornはレンタカー事業者向けのクラウド型管理システムで、車両の在庫管理、予約受付、売上分析の管理までを一元化できるツールです。
実は、レンタカー管理システムで海外OTAと直接API連携を実現しているケースは国内でも非常に限られております。
KAFLIX CLOUDのREbornは、GDSのように、海外OTAとAPI連携を通じて予約情報をリアルタイムで取り込み、在庫・売上を一元管理できる仕組みをいち早く実装した先進的なシステムです。
今回ご紹介するのは、GDSの仕組みを取り入れ、特定の海外OTAとシステムを連携した先進的な取り組みとして、韓国のOTAサイト「JEJUPASS」と、KAFLIX CLOUDが提供するレンタカー管理システム「REborn」を連携させた予約管理の事例です。
利用者が自分でチェックイン手続きを行える端末です。
免許証スキャンや顔認証、電子契約、決済までを一台で完結でき、受付業務の省人化・効率化に貢献します。
※API連携による予約情報の自動取り込み、在庫・精算の一元管理を実現しており、現在はチャネル網の拡大や複数在庫管理の強化を進めることで、より本格的なGDS機能の構築を目指しています。
韓国最大級のレンタカーOTAサイトで、韓国語UIで日本国内のレンタカーが予約可能。
韓国人旅行者の間で人気が高まり、訪日需要の増加とともに利用者が増加しています。
公式サイト:JEJUPASS
チェックイン機は韓国語UIを備えており、韓国からの予約者が来店した際も、スタッフの語学対応は不要です。
予約者自身が画面を見ながら手続きを進められるため、外国語に不安があるスタッフでも安心して店舗運営が可能です。
とくにインバウンド対応に不慣れな地方店舗にとって、大きな安心材料となります。
チェックインから本人確認・契約・決済までをお客様主体で行います。
来店者を1人ずつ接客する必要がないため、繁忙期の待ち時間やカウンター業務の混雑を大幅に軽減できます。
スタッフは他の業務に専念でき、少人数体制でも無理なく対応できる運営体制が実現します。
JEJUPASSなどの海外OTAからの予約情報は、APIを通じてREbornに即時反映されます。
在庫や予約情報、売上、精算処理までが一つのシステム内で完結するため、従来のように複数システムを行き来する必要がなくなります。
また、今後別のOTAと連携を広げる場合も、REbornを基盤とした柔軟な拡張が可能です。
「海外OTAとの連携は難しそう」「導入には時間もコストもかかるのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし実際は、GDSを導入することで、むしろ業務は効率化され、販路も広がるという好循環を生み出せます。
航空券やホテル予約ではすでに一般的となったGDSの仕組みは、レンタカー業界でも急速に広まりつつあります。
これまで煩雑だった複数OTAとの予約管理や在庫更新も、GDSを介すことで一元化され、人的ミスのリスクを軽減できます。
KAFLIX CLOUDが提供するレンタカー管理システム「REborn」とチェックイン機の組み合わせにより、予約受付からチェックイン、決済、出庫までを一貫して自動化できます。
実際に韓国OTA「JEJUPASS」との連携では、韓国からの予約が即座にREbornに反映され、スタッフが介在せずともスムーズな受付が可能になっています。
海外OTAとの接点を増やし、グローバルな顧客層に対応していくことは、これからのレンタカー運営において欠かせない視点です。
REbornを中心とした仕組みを活用すれば、大手だけでなく中小規模の事業者でも、無理なく海外予約の受け入れ体制を整えることができます。